夜物語「亮君は冷たいね。雪んこみたいだ」 「雪んこ?」 「そう。雪女のこども版みたいなやつ」 「ふーん……」 「春になっても、消えちゃだめだよ」 そういって吹雪は亮の顔に手を伸ばした。 何度も何度も、温かい手が亮の頬をなでて、鼻先が触れ合うほど近づいた顔の真ん中で、茶色の瞳がじっと、亮の目を見つめ続けている。 亮はいつも、吹雪がまばたきする時、うつぶせる瞬間を見るのが好きだった。 長いまつげが揺れて、淡い月の光に影を作って、次の瞬間にはまた吹雪の瞳がガラス玉のようにきらめいているのをじっと見つめていた。 いつだって吹雪は亮の方が頼りなく思えるのか、これをしちゃダメだとかこういうことは気をつけた方がいいとか、言い聞かせるようなことばかり言う。 けれども。 「……春になったら、どこかにいっちゃいそうなのは……吹雪の方だ……」 「え? 何?」 「…………何でもない……」 口の中でだけ呟いた言葉は、もごもごと曖昧で、吹雪の耳には届かなかったらしい。 亮は吹雪のパジャマを握り締めて、その胸に顔を埋めた。 そして何度目かの春、吹雪は本当にいなくなってしまった。 第一期の話は記憶が曖昧なので……あれなんですけど 吹雪……いつの間にか行方不明だっただけで 詳しい説明がなかったような気がする。 なんか、「明日香の行方不明の兄さん」というだけで。 吹雪と亮クンがいつごろから知り合いだったのかとか そういうのあまり、はっきりしてなかった……よね……? 遊戯王とか見ていると、しょっちゅう大会があるようだから 同年代の有力なデュエリストというのは 顔見知りではあると思うんだけど。 幼児化とかこども化とか好きなんですけど 自分で書く分にはこども化の方が好きかもしれない と思いながら描いた。 なんか明日香と亮と吹雪の昔の話とかも 余力があったら書きたいなー ゆや/<080419> |
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